2006年  ネットワーク時代の新しいマーケティング
(巻頭言)新しいマーケティングの胎動
1.デジタルな時代の消費者行動研究
2.新しいマーケティング
3.デジタルな時代の基本的価値観
4.デジタルな時代の衣生活・食生活・住生活
5.デジタルな時代のインターネット生活
6.消費価値観をベースとした市場戦略
7.消費者の感性を捉える調査・分析の新技術



4.デジタルな時代の衣生活・食生活・住生活

衣・ファッション生活


◆2000年〜05年の主な出来事

セレブなテイスト、個性的で奇抜なファッションも
 ・1990年後半からユニクロブーム、2001年にザ・スーパースーツストア等、ファッションの低価格化。一方で、2001年のエルメス銀座店にはじまる各地への海外高級ブランドの出店等、ファッションの二極化が進んだ。

 ・2004年から2005年にかけて月刊誌「LEON」など男性特定層をターゲットにしたハイクラスで個性的なファッションが話題になる。女性も「東京エレガンス」「関西セレブカジュアル」など「グラマラス」、「ゴージャス」、「セクシー」、「カジュアル」といった要素を加えたデザインが20代OLでブームとなる。また、「へそ出しルック」や「ローライズ」「萌えカジ」など個性的で奇抜なファッションも誕生する。

衣生活のエコ化
 ・京都議定書締結から始まった地球温暖化防止策から暖房温度20度でも快適に過ごせる服装「クルービズ」が2005年話題に。近年、不振に喘いでいた紳士服市場が再び活況を呈する。2005年の下期も「ウォームビズ」が登場し市場の拡大を期待されている。「ファッションのエコ化」により、新たなトレンド市場が楽しみである。

ホワイトバンド
 ・2005年に世界の貧困をなくすべく、NGO団体が連携して立ち上げた運動。目的は貧困をなくすための啓蒙活動であって募金ではない。有名人が無償でCMに出演し、若者の中で「おしゃれができて、地球にも役立てる」とブームに。地球保護の運動にファッション性を取り入れたことがポイント。

創・匠・商三位一体の情報発信
 ・2005年秋から経済産業省がバックアップし、創(デザイナー)と匠(繊維業界)、商(ビジネスシーン)が三位一体となって、日本産のオリジナリティ溢れる商品を世界に発信するという試みが行われる。

消費実態−1年間に使った洋服代
 「1年間に使った洋服代」は、2002年「76,752年」、2003年「69,804円」、2004年「76,198円」、2005年「77,623円」と、2005年は昨年に比べ微増となった。性・年代別(図表1)に見てみると、女性20代の洋服代が最も高く、次に女性40代が続く。男性では40代、50代の支出が高い。女性では「セレブ志向」が、男性では「LEON」などの「オヤジのおしゃれ」ブームがその背景にあると考えられる。

◆衣生活価値観

 「雑誌でみたファッションは参考になる」は、この5年間で増加傾向となっている(図表2以下同)。年代やライフスタイルに合わせ個性を追求した雑誌が人気で、最先端のセレブ・ファッションや生活スタイルを享受する非日常的な要素が受け入れられていると考えられる。

 「気に入った1つのブランドがある」「服を買うお気に入りの店がある」もこの5年間で増え、「バーゲンは利用しなきゃ損だ」は昨年から減少している。

 2003年まではコストパフォーマンスや低価格が魅力とされてきたが2004年頃から個別の好みやライフスタイルに応えるような新しい商品が受け入れられるようになってきており、生活標準レベルを底上げしたいという消費傾向も見られる。


◆その他の衣生活意識

 2000年に御殿場など全国各地にアウトレットモールがオープンしたが、この4年間の「よく9季刊営業力開発─2005Vol.4ネットワーク時代の新しいマーケティング利用する」と回答した人は約5%弱程度を維持し横ばい傾向が続いている(図表3)。特に、女性20代での利用率が高い。


年代
金額
男性20代
65,431 円 
男性30代
44,580 円 
男性40代
74,983 円 
男性50代
73,952 円 
男性60代
57,093 円 
女性20代
131,025 円 
女性30代
67,483 円 
女性40代
86,917 円 
女性50代
80,750 円 
女性60代
80,037 円 
■性年代別・年間洋服代(図表1)

2002年
3.6 %

2003年

4.1 %
2004年
4.3 %
2005年

4.3 %

■アウトレットをよく利用する
「非常にあてはまる」の%(図表3)




■衣生活価値観(図表2)


食生活

◆2000年〜05年の主な出来事

『LOHAS/ロハス』
 ・ロハスとは「LifestyleOfHealthAndSustainability」(健康で持続可能な生活様式)の頭文字をとった略語。「生活創造者」と言われ「持続可能な行いで環境を守りたいと願い、薬に頼らず自己治療力で心身の健康の得、人間関係を大切にしながら自己啓発にいそしむ」などの傾向を持つ人々を指す。

 ・日本では、2002年に「生活創造者とロハス市場の台頭」と題したシンポジウムが紹介され、2005年に「ロハス」という言葉を頻繁に耳にするようになる。「日本人の約3割はロハス消費者」であるという見方もあるようだ。・食生活でもロハス志向が盛り上がり、オーガニックレストランや和サプリなどが登場。今後もロハス食市場は拡大すると考えられる。

『食の原点回帰』
 ・2001年頃から「デパ地下」が、2002年には本格的なホテルの味を体験できる「ホテイチ」が登場し調理済み食品・惣菜など中食市場が拡大する。また、生活者に合わせて宅配や取り寄せ食品も多様性を見せる。

 ・2004年から2005年には、安心できる食材への関心がさらに高くなり、「地産地消」「スローフード」の観点から「ご当地食材」が話題になる。今年の「寒天」ブームのように、昔か10季刊営業力開発─2005Vol.4ら守られていた健康食材や食文化への回帰が見られる。

『機能性飲料・機能性食品の拡大』
 ・2002年は「アミノサプリ」をはじめ機能性飲料がブームに。また、「ヘルシア」を皮切りに緑茶市場でも機能性飲料が登場。2004年〜2005年には、「生茶」「伊右衛門」「若武者」「−(はじめ)」など、和風のネーミング飲料が続々商品化され、紅茶を圧倒している。

 ・さらに、2005年は機能性飲料にとどまらず、チョコレートにもストレスを軽減するGABA(γ-アミノ酸)を多く含んだ商品が発売され注目を浴びる。

『継続する食品問題』
 ・2000年の雪印乳業の食中毒問題、2001年のBSE問題、2002年から2004年は産地偽装・農薬残留問題、鳥インフルエンザ、2005年は米国産牛肉輸入解禁など、食品の安全性に対する不安・不信感が高まる。


■食生活価値観(図表4)



■食生活への期待(図表5)

◆食生活価値観

 「自然、天然食品・有機野菜購入」「輸入食品の安全には不安を感じる」「食品や薬の成分が気になる」など食品への不安を測る項目は、昨年から今年にかけて若干増えている(図表4以下同)。

 また、「料理を本格的に習ってみたい」「ビタミン剤で栄養補給している」など、食生活に対する本格志向、健康志向を測る項目も昨年から若干増えている。一方で、「市販の総菜は重宝している」「おいしいカップラーメンが多い」「ファーストフードは便利な上おいしい」など持ち帰り食品に対する項目は、2004年から減少している。

 これらの背景には、先述したように2004年から今年にかけてオーガニックや自然食品、サプリメントを上手に取り入れる「スローフード」「ロハス志向」などの食生活意識が浸透してきているためだと考えられる。今後も、食生活に対する価値観・考え方がどのように変化していくのか注意深く見ていきたい。

◆その他の食生活意識

●食生活への期待
 5年間を通じて反応が高かった項目に、「食器洗いから解法されたい」、「家族で夕食に出かけるのが好きだ」、「話題の店はどこでも行ってみたい」があげられる(図表5)。これらの項目の背景にある「食生活を楽しく、ラクにしたい」という期待は、この5年間で大きな変動は見られない。


住生活


◆2000年〜05年の主な出来事

『大規模・超高層マンション』

 ・2002年から「デザイナーズマンション」が話題 に。2003年は「リフォーム」ブーム、2004年は20 階建て以上の「超高層マンション」が都心中心 に建設ラッシュとなる。2005年もみなとみらい 21地区の大規模・超高層マンションプロジェク トが着手されるなど、首都圏のマンション新規 発売戸数は7年連続の8万戸超えが予想されて おり、超高層マンション建設が依然活発である。

『液晶・プラズマテレビなどの大型テレビ市場が拡大』
 ・2004年のアテネオリンピックを契機に、液晶パネルの需給バランスが崩れ、価格は3割以上の下落となる。プラズマディスプレイも32型から65型の大型テレビ市場が伸びているが値下げ競争がとまらず、各社メーカーの利益確保は難航している。しかし、低価格化により買いやすくなった大型テレビ市場が拡大し需要を喚起する見方も強く、今後さらに激しいシェア競争が続くと考えられる。

『情報発信志向』
 ・情報収集志向同様、全体的に、この5年間で大きな変化は見られないが、微増傾向が見られる。情報収集志向と比べると、それより低い反応となっている。

『アスベスト問題』
 ・2005年、約20〜50年の潜伏期間を経た後に肺がんなどを引き起こす「静かな時限爆弾」と呼ばれるアスベスト(石綿)が大きな社会問題に。現在の建造物の多くにアスベストが残っている。建物の建て直しなどの時に飛散することが指摘されており、住生活に対する不安が高まる。

◆住生活の実態

『住宅の所有区分』
 「持家一戸建」の比率は、2002年から増加傾向が続いている(図表6以下同)。50〜60代の6割以上がすでにマイホームを持っており、近年の増加傾向の背景には、「ローン金利が低い水準で安定していること」や「借りるよりも買ったほうが得」と考えるシングル女性のマイホーム探しなど「分譲住宅の購入者の多様化」があると考えられる。この5年間で住宅購入環境が大きく変わってきているようである。

『現在の住まいの広さ・間取り』
 最も多いのは「3DKあるいは3LDK」である。また、2003年から2005年にかけて「4LDK」「5LDK以上」が増えている。主に50代以上のシルバー層が増えている。

◆住生活価値観
 住生活価値観「住宅はなんといっても一生ものだ」「住宅選びは耐久性が一番大切だ」という住宅資産価値に関する項目は、昨年から大きく減少している。「住宅は一生もの」という意識は2005年から弱くなっている。

 一方、「フローリングの材質やカラーにこだわる」「大切にしている家具やインテリアがある」「冷暖房設備を重視する」など、今ある住居のソフト面に対するこだわりは、2005年でさらに強くなっている。また、「高層マンションに住みたいと思う」は2003年から増加している。

◆その他の住生活意識

『理想の住まい』
 5年間を通じて反応が高かった項目に「庭のある生活がしたい」「和室のない住宅には住みたくない」があげられる。特に50代以上のシルバー層で高い。

『暮らしの生活レベル』
 2005年からの「あなたの暮らしの生活レベルは、上中下の何処にあてはまるか」という質問をとっているが、「上」と回答した人は0.7%、「中の上」16.7%、「中の中」54.0%、「中の下」22.5%、「下」3.7%となっている。




■住居の所有区分と広さ・間取り(図表6)



■住生活価値観(図表7)



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